渋谷モヤイ像の現在地と誕生秘話|新島の由来や裏表の謎を徹底解剖
JR渋谷駅の西口で、長年にわたり待ち合わせの定番シンボルとして親しまれてきた「モヤイ像」。大規模な渋谷再開発が進むなか、「いつの間にか元の場所から消えていた」「撤去されたのか移転したのかわからない」と戸惑う声が少なくありません。かつて西口ロータリーの喫煙所横に佇んでいた巨石像は、工事に伴う一時的な移動を経て、現在は新たな安住の地で再び街行く人々を見守っています。
ハチ公像と双璧をなす存在でありながら、そのルーツや「なぜ渋谷にあるのか」という歴史的背景、さらにはイースター島のモアイ像との違いについて正確に知る人は多くありません。実は伊豆諸島・新島から贈られた深い友情の証であり、表と裏で全く異なる顔を持つモヤイ像。2026年現在の最新設置場所やアクセス手順、知られざる数々の逸話までを徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:渋谷駅西口の再開発事業に伴い、モヤイ像は従来の場所から約200メートル西側の「渋谷フクラス」西側広場(国道246号沿い)へ移設され、2025年1月22日より一般公開されている。
- 要点2:1980年(昭和55年)、新島が東京府(現・東京都)に移管されて100周年を迎えた記念として新島村から寄贈されたもので、新島特産の希少岩石「コーガ石(抗火石)」で造られている。
- 要点3:語源は新島の方言「もやう(力を合わせる・助け合う)」。表側はウェーブ髪の若者、裏側はヒゲを蓄えた長老という「2つの異なる顔」を持ち、移設後も故郷である新島の方角を向いて設置されている。
【2026年最新】渋谷モヤイ像はどこへ?新移設先「渋谷フクラス」への行き方と現在地
渋谷駅西口の風景を一変させた大規模再開発事業。これに伴い、長年親しまれた西口バスターミナル前の旧設置場所からモヤイ像が姿を消したのは2024年11月下旬のことでした。渋谷区および東急電鉄などの発表資料によると、2024年11月28日・29日の深夜2日間をかけて慎重な吊り上げ・運搬作業が実施され、直線距離にして約200メートル離れた商業施設「渋谷フクラス(東急プラザ渋谷)」西側の地上広場へと居場所を移しました。
その後、基礎工事や周辺整備を経て、2025年1月22日に記念セレモニーとともに除幕・再公開。現在は国道246号線(玉川通り)に面したオープンエアな歩行者空間の一角に堂々と鎮座しています。かつてのロータリー奥の薄暗いエリアと比べ、開放感があり写真撮影もしやすいロケーションへと生まれ変わりました。
移設作業の際、地面に埋まっていた土台部分が掘り起こされたことで「モヤイ像は思っていた以上に首(胴体)が長かった」とSNS上で大きな話題を呼んだことも記憶に新しいところです。
📍 JR渋谷駅から新モヤイ像への最短ルート(徒歩約3分)
- JR渋谷駅の「西口改札」または「南改札(西口側)」を出る。
- 西口歩行者デッキ(または地上横断歩道)を利用して、正面に見える「渋谷フクラス」方面へ進む。
- 渋谷フクラスの1階エントランスを抜け、西側(国道246号・セルリアンタワー方面へ抜ける屋外広場)へ回ると、植栽エリアの一角にモヤイ像が設置されています。

なぜ渋谷に?新島から贈られた歴史的背景と「モヤイ」の本当の意味
そもそも、なぜ東京の離島である新島の巨石像が若者の街・渋谷に置かれることになったのでしょうか。その歴史背景は、今から40年以上前の昭和時代にさかのぼります。
1980年(昭和55年)、伊豆諸島の新島が明治政府によって静岡県から東京府(現・東京都)へ移管されてからちょうど100周年という節目の年を迎えました。これを記念し、島と本土(東京都心)との文化交流促進と観光PR、そして両地域の末長い友好親善を願って、新島村から渋谷区へモヤイ像が寄贈されたのが始まりです。
制作を手掛けたのは、新島出身の彫刻家である大後友政(おおご ともまさ)氏を中心とする職人たちでした。「モヤイ」という言葉の語源は、新島をはじめとする伊豆諸島に古くから伝わる方言「もやう(催合う/舫う)」にあります。これは、厳しい自然環境の離島において、船をロープでつなぎ合わせたり、村人全員で力を合わせて共同作業を行ったりする「助け合い・協調」の精神を意味する美しい言葉です。
単なる奇抜なモニュメントではなく、「大都市・渋谷を行き交う人々が互いに助け合い、絆を深め合える場所になるように」という島民の温かい祈りが込められています。
【徹底比較】モヤイ像とモアイ像・ハチ公像の決定的な違い
南太平洋チリ領イースター島の「モアイ像」と名前やフォルムが似ているため混同されがちですが、両者には文化的背景から使用素材に至るまで決定的な違いが存在します。さらに、渋谷のもう一つの顔である「忠犬ハチ公像」との特徴比較を一覧にまとめました。
| 項目 | 渋谷モヤイ像 | イースター島 モアイ像 | 忠犬ハチ公像(渋谷) |
|---|---|---|---|
| 設置年 | 1980年(2025年移設) | 10〜16世紀頃 | 1934年(初代)/ 1948年(再建) |
| 語源・意味 | 新島方言「もやう(助け合う)」 | ラパ・ヌイ語「モアイ(未来に生きる)」 | 実在した秋田犬「ハチ」の忠誠心 |
| 主な石材・素材 | コーガ石(抗火石) ※新島特産の多孔質火山岩 | 凝灰岩(ラノ・ララクの火山岩) | ブロンズ(青銅製) |
| 顔の特徴 | 表裏で異なる(若者風/長老風) | 単一方向を向く細長い顔構造 | 左耳が垂れた秋田犬の姿 |
| 主な待ち合わせ用途 | 西口・桜丘・道玄坂方面(穴場) | (祭祀・祖先崇拝の対象) | スクランブル交差点・センター街方面 |
新島特産の超希少鉱物「コーガ石(抗火石)」の驚くべき特性
モヤイ像を形作っている石材は、新島特産の「コーガ石(抗火石 / 抗火石)」と呼ばれる流紋岩質の軽石火山岩です。この石が産出するのは、地球上でも新島とイタリアのリパリ島などごく一部の地域に限られる極めて珍しい鉱物資源です。
耐火度が高く、無数の気泡を含む多孔質構造のため非常に軽量で、のこぎりやノミで容易に削ることができる加工性の高さが特徴。新島では古くから耐火建築材や塀として活用されてきました。モヤイ像の独特のざらりとした質感と陰影は、このコーガ石ならではの造形美が生み出しています。

一般には知られていない盲点|「裏表で顔が違う」秘密とルパン三世強奪事件の真相
渋谷のモヤイ像を訪れた際、正面から眺めて満足して立ち去ってしまう人が大半ですが、実は背面に回り込むともう一つの全く異なる顔が彫られています。
パーマをあてたような豊かなウェーブヘアが頭部から背面へと流れるモダンな造形。当時の流行や若者のエネルギーを象徴したデザインとされています。
口元に立派な髭(ひげ)を蓄え、髪の毛が少なく落ち着いた表情を見せる長老の顔。「波平カット」とも親しまれ、島の歴史や知恵を象徴しています。
世代を超えた調和と連帯を表現したこの二面性こそ、モヤイ像が持つ最大の芸術的ギミックです。
2009年冬:渋谷からモヤイ像が消えた「ルパン三世事件」の真実
モヤイ像の歴史を語る上で欠かせないのが、2009年12月に発生した「モヤイ像強奪プロモーション事件」です。ある朝、渋谷駅西口から突如としてモヤイ像が忽然と姿を消し、跡地には「モヤイ像はいただいた ルパン三世」という犯行予告状のような垂れ幕が残されました。
テレビニュースやネット上で「本当に盗まれたのか?」「どうやってあの巨石を運んだのか」と大騒動に発展しましたが、その真相はアニメ『ルパン三世』のPRおよび新島の地域振興を兼ねた公式コラボレーション企画。渋谷警察署や新島村の全面協力のもと、深夜に一時撤去して綺麗にクリーニングを施し、数日後にピカピカの状態で返還されるという前代未聞のリアルマーケティングとして語り継がれています。
設置角度のこだわり:移設先でも「新島」を向いているのか?
旧西口ロータリー時代から、「渋谷のモヤイ像は遠く離れた故郷・新島の方角を向いている」という都市伝説が囁かれていました。関係者の証言によると、2025年1月のフクラス西側広場への移設時にもその精神は継承され、像の視線が伊豆諸島(南南西方面)の遥かな海原へと通じるよう、ミリ単位で角度が調整されて再設置されています。
【実態検証】渋谷駅再開発がもたらした待ち合わせ文化の変化と利用者のリアルな声
渋谷駅の再開発に伴い、かつて「ハチ公前の大混雑を避ける裏ワザ」として重宝されていたモヤイ像待ち合わせの使い勝手はどう変化したのでしょうか。現地取材と利用者の声から見えてきたリアルを検証します。
かつてのモヤイ像前は喫煙所が隣接していたため、「タバコの煙が充満して長時間の待機が辛い」「通路が狭く立ち止まりにくい」といったネガティブな側面もありました。しかし、フクラス西側広場への移設後は環境が一変しています。
- ポジティブな声:「フクラスの落ち着いた広場に移ったことで、人混みに押し流されずに落ち着いて相手を待てる」「カフェや商業施設がすぐ真横にあり、合流後の移動がスムーズ」「写真背景にビル街の余計な看板が映り込まず、モニュメントとして映える」
- 注意点としての声:「JR西口改札から少し奥まった場所になったため、初めて渋谷に来る人には以前より場所の説明が難しくなった」「待ち合わせ相手が古い場所(西口ロータリー)に行ってしまう勘違いが起きやすい」
再開発による歩行者デッキ網の完成により、セルリアンタワー方面や桜丘町(渋谷サクラステージ)方面へ向かうビジネスパーソンや若者にとって、以前にも増して利便性の高い中継地点となっています。

【プロの結論】都市空間における「シンボルの移設」と居場所の社会心理学
都市工学や環境心理学の知見において、急激な再開発によって超高層ビルが林立する街では、人々の「空間的アイデンティティ(街への愛着や記憶)」が喪失しやすいリスクが指摘されます。ガラスと鉄骨で規格化された無機質な都市空間の中で、モヤイ像のような「手触り感と物語性を持ったランドマーク」は、都市と人々の心理的な心理的バウンダリー(安心できる居場所の境界線)を保つ極めて重要な役割を果たします。
💡 モヤイ像での待ち合わせが「向いている人・向いていない人」の判断基準
- おすすめできる人:
- ハチ公前広場の外国人観光客や人混みの喧騒を避け、静かに合流したい人
- 渋谷フクラス内の東急プラザ、セルリアンタワー、桜丘町方面の飲食店へ行く予定の人
- お互いに渋谷の地理に一定の土地勘がある友人・ビジネスパートナー同士
- 慎重になるべき(おすすめしない)人:
- 渋谷駅を初めて利用する地方からの上京者やインバウンド旅行者との待ち合わせ(ハチ公前や改札前が無難)
- スクランブル交差点を渡ってセンター街・SHIBUYA109方面へ直行する予定の人
【モヤイ 像 渋谷】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:モヤイ像は全国で渋谷にしかない珍しいものですか?
A1:いいえ、渋谷以外にも複数存在します。本拠地である伊豆諸島・新島には100体以上のモヤイ像が島内各所に点在しているほか、東京都大田区のJR蒲田駅東口広場、港区の竹芝桟橋、静岡県下田市など、新島とゆかりのある港湾や駅前にも寄贈されたモヤイ像が設置されています。
Q2:忠犬ハチ公像から新しいモヤイ像までは歩いてどれくらいかかりますか?
A2:JR渋谷駅の高架下通路(西口方面への抜け道)や駅構内を経由して、徒歩約3〜4分程度で移動可能です。ただし、休日の混雑時間帯は通路が混み合うため5分程度を見ておくと安心です。
Q3:モヤイ像の材料である「コーガ石」は水に浮くというのは本当ですか?
A3:本当です。コーガ石は石質内部に無数の微細な空気の気泡を抱えた多孔質構造(ガラス質火山岩)であるため、比重が極めて軽く、乾燥した状態の塊を水に入れると水面にぷかぷかと浮き上がります。
Q4:夜間でもモヤイ像の周辺は明るく安全に待てますか?
A4:はい。移設先となった渋谷フクラス西側広場は、街路灯や施設側の間接照明がしっかりと整備されており、夜間でも視認性が高く非常にクリーンで安全な環境が保たれています。
まとめ:変貌する渋谷で受け継がれる「人と人をつなぐ」モヤイの精神
100年に一度と言われる大再開発によって目まぐるしい進化を遂げる渋谷。駅周辺の景観がどれほど近未来的に塗り替えられようとも、昭和の時代から人々の出会いと別れを見届けてきたモヤイ像の存在感は色褪せることがありません。
新島から運ばれた希少なコーガ石に刻まれた「もやう(力を合わせる)」というメッセージ。フクラス西側の新天地で故郷の海を見つめるモヤイ像は、これからも人と人、そして街と島をつなぐ温かなシンボルとして渋谷の街に立ち続けます。渋谷を訪れた際は、ぜひ背面の長老の顔までじっくりと観察してみてください。 (出典: モヤイ 像 渋谷(Yahoo!ニュース))